初めてのラベル体験 その1

クラッシックの初心者が、ブルックナーのシンフォニーを聴いて、即感動!というのは、一般的には難しいことだと思う。

 

ブルックナーのシンフォニーは、何しろあまりに長いし、それと、曲の展開が遅々として進まない。曲が一体どこに向かおうとしているかがよくわからない。はっきり言ってものすごく分かりにくい音楽だと思う。音楽評論家の吉田秀和さんも、その辺りはすごく強調しておられた。

 

(この辺りの消息は、吉田秀和さんの「私の好きな曲」の中のブルックナー交響曲第9番について述べられた文章の中に、吉田さん自身の体験も含めて書いてあります)

 

何しろ忍耐力が必要となるたぐいの音楽なのだ。

 

前回のブログに書いたように、確かに僕の場合は、中学1年生の時にブルックナーのシンフォニーの第8番と劇的な出会いをしたのだけれど、まぁこれは、そういうタイミングがその時たまたまたやって来た、というだけのことだったのだろうと思う。いつ、何に出会うか、という問題は、ほんとに人それぞれなのだと思います。

 

クラッシックの初心者が、聴いてすぐにインパクトを受けるたぐいの、しかも有名な曲というのは確かにありますよね。例えば、ラベルのボレロはどうでしょうか?みんな知ってる超有名曲。これもまた、僕が中学1年生の時に出会った曲です。ポピュラーな名曲という位置付けにある曲だけれども、でも実はこいつが一筋縄ではいかない曲なのだ。何しろラベルという人が一筋縄ではいかない人なのですね。でも一筋縄ではいかないのがおもしろい訳で。

 

つづく