ネフェルティティー その2
さて、そもそも、この曲を作曲したのは、テナーサックスを吹いているウェイン・ショーターです。なんとも。。。不思議なメロディーてすよね。このショーターの作った曲をマイルスとショーターがゆっくりゆっくり、繰返し繰返し繰り返していく。ゆっくりゆっくり旋回していく。ループしていきます。そしてどんどん魔術性が増していく感じがします。
そしてマイルスもショーターも最後までソロを取らずにこの曲は終わります。とうとうソロがなくなってしまった!!と言って驚かれた訳なのです。
しかし。。。よく聴いてみると、と言うか、明らかに、マイルスとショーターのバッグで、リズムセクションの3人(ハービー・ハンコックのピアノ、ロン・カーターのベース、トニー・ウィリアムスのドラムス)は、ソロはほとんどないものの(トニーの短いソロはありますが)即興演奏をしています。まぁ、モダンジャズのリズムセクションのあり方としては当然のことをやっていると言えるのでしょうが。
そして、この3人の即興演奏は、淡いけれども豊かなグラディエーションを描いて進行します。薄味かもしれない。しかしその表情は実に多彩です。実に微妙で豊かな色彩を描いている!
淡いとか薄味とか書いているけれども、その抑えられた静かな曲の印象とは裏腹に、ものすごいバッションがみなぎっているのが感じられます。一見、静かな人なんだけれども、睨み付けられたら凍りついてしまう感じというか。
特にトニーのドラムス!!
無論、明らかにこのリズムセクションの演奏は、ボレロのふたつの旋律には合わないでしょう。
けれども、ボレロのリズムに別のあり方があって、更に管楽器奏者のアドリブなんかもあったりしたら、どんな感じになるのだろう?面白い展開にならないかな?と思ってしまったので、話がマイルス・デイビスに飛んでしまった訳です。
僕は、クラッシック大好き大好き大好き人間だけれども、たまにクラッシックのあり方に窮屈さを感じてしまうことがあります。
例えば、演奏家としてのモーツァルトだったら、もっと好き放題、やりたい放題やってたんじゃないか?と想像するんだけど、どうなんでしょうね?