ネフェルティティー その1

ラベルのボレロについて書いていて、マイルス・デイビスに話題が飛ぶとは自分でもまったく予想外であります。

マイルス・デイビスのネフェルティティーという曲は、ジャズファンにはよく知られているように、ソロがない、アドリブがない、ということで非常に有名な曲(というか演奏)です。

ラベルのボレロには当然ながらアドリブがありません。
クラッシックというジャンルは、基本的にはアドリブがない。モーツァルトやベートーベンは、自身の演奏会において、即興演奏をやっていたはずなのですが(ほんとに聴いてみたかった!!)、とにかく基本、アドリブがない。

一方、1940年代のビバップ革命後のモダンジャズにおいては、アドリブというものが大変重視される性質のものとなりました。なにしろ、ビバップの中心的存在であったチャーリーパーカーは、他に並ぶもののない天才即興演奏家であったし、1960年代には、ジョン・コルトレーンが、即興演奏の極北とような壮絶な演奏を繰り広げていました。

このネフェルティティーという曲が録音されたのは、そのコルトレーンが亡くなった1967年です。コルトレーン的喧騒の反動という訳でもないのでしょうが、一見抑えられたとても静かな印象の曲(というか演奏)なんです。

つづく